丹生屋★海外投資通信簿

米国株を中心に投資してるDiary

ソーシャルレンディングの教訓

ソーシャルレンディングも少しだけポートフォリオに入っています。
自戒と反省を込めて、3~4年前の話をしたためます。

 

私は、今でこそ株式投資が多いのですが、3~4年前頃はかなりの額をソーシャルレンディングに入れていました。

安定的に5~7%が得られ、場合によって10%なら、預金や社債よりよかろうと。

当時は、ソーシャルレンディング業者も雨後の竹の子でしたが、まだ貸し倒れが発生していない(表面化していない)時期でしたので、安心感をもち、挑戦することにしました。

貸し倒れリスクも一応認識していましたが、もし支払いが滞っても、資産があるので競売で売れば返金はあるとも思いました。

 

甘かった。大甘と言わざるを得ません。

 

かなり業界が熱狂していた頃で、案件が公開されるやいなやすぐに投資家が集まっていました。人気の業者は、案件公開から数分で申込がいっぱいとなっていました。

昼間サラリーマンが10時ぴったりに案件に応募なんてできるはずもありません。
私は 余裕を持って投資できる業者しか投資できませんでした。

 

また、私には、リーマンショックのときに、サブプライム住宅ローンが問題となった記憶が強く残っており、不動産融資の貸し倒れリスクは恐怖感がありました。

また、このところ景気が好調でしたので、リーマンショックの暴落がいつ起こるかという危機感もありました。

そのため、案件ごとに少額に分散するとともに、業者も8社くらいに分けました。そして、長期案件には投資せず、最長でも半年の案件にすることにしました。

 

はじめは恐る恐る、大きな額ではありませんでしたが、1年ほど続けた頃にはそこそこの額になっていました。

ただ、その頃には業界の人気も高くなり、10%ほどの高利率のものは瞬殺で案件がうまり、私は応募することができませんでした。応募できるのは、残っている4-5%でかつ1年以上などの長期のものだけでした。

 

これくらいの利率だと、途中で逃げることも可能な株式投資の方が利点があるように思いはじめました。

 

2018年6~8月頃には、続々と怪しいニュースが出るようになってきました。業者が別の使途で投資家のお金を流用していたり、金融庁の行政勧告を受けたりなど。

 

これはあかんやつや!

 

投資先の貸し倒れリスクはまだ分かりますが、そもそもソーシャルレンディング業者にも大きなリスクがあることを認識しました。

 

そもそもよく考えると、安全に10%の運用なんて無理な話なのです。

それに、投資先の開示(※)や投資に対するろくな説明や開示もなく、スキームのポンチ絵と担当者の一言コメントだけで、他人にお金を預けることも無謀です。

※当時は匿名でしたが、今は開示が可能になったようです。

投資信託は、目論見書があり、毎月それなりに詳しい運用報告書があります。お金を預けるからには、それくらいの情報公開が必要なのではないか。

 

そこで、新規案件への投資はやめて、満了まで待って自然減とし、満了でお金が返還されるやいなや、業者からもとっとと出金しました。

 

自然減を待つ間、戦々恐々です。
1社被弾(貸し倒れ)しました。責任者が逃亡して、連絡がつかないとのことです。
それ以外は、何とか全部満了し、出金が終わりました。

 

その後、この業界とは関わらずにいましたが、1年くらいしたら、クラウドリースが倒産しました。高利率につられて私も投資していましたが、何とか被弾を回避することができて、助かりました。

 

被弾した1社は、その後の展開が全く進んでいません。このまま、お金は戻らないでしょう。
全損が確定した場合、ソーシャルレンディングによるトータルは、ほぼトントンです。
時間を無駄にしました。

 

何かよく分からないものには投資しない、が鉄則ですね。


業者があやしく、投資家のために運用するより、罰則がゆるく投資家から集めてトンズラする方が儲かるようでは、業界は健全に発展しないでしょう。