丹生屋★海外投資通信簿

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財形住宅貯蓄は有利だったのか?

会社に財形住宅貯蓄制度(以下、財形)があり、7年近く利用しています。
ついにその財形を取り崩す検討をしています。結局お得なのか、確認してみました。

 

財形とは、給与から希望する一定額を天引きして、勤務先の提携銀行に預けていく任意加入の制度です。会社によっては、住宅購入補助として、天引き額にプラスして会社から一定割合の補助金が出る会社もあります。
残高が550万円までの利子は非課税です。

 

今の低金利のご時世、550万円までの利子非課税についてはさほどのメリットではありません。
私の感じるこの制度のメリットは、2つです。
 ①会社からの補助金
 ②給与天引きのため強制的に預金ができること

デメリットは、
 ・自由なタイミングで引き出しはできない
 ・引き出すための目的が、住宅の購入やリフォームなどに限定されている
  (引き出しは可能だが、過去5年分の利子に課税される)
 ・住宅の購入やリフォームから1年以内に引き出さないと目的外と見なされる。
  (目的外の場合過去5年分の利子に課税される)

私の会社では、以下の条件となっています。
 ・天引き額の10%が会社補助として得られる
  (月次の天引きは最大5千円、ボーナス時の追加天引き時は最大3万円)
 ・補助金は、補助金・利子込みの財形残高の累計が1000万円になるまで支給。
  (550万円を超える預金の利子には課税)

 

計算上は、最大額で積み立てれば7年7ヶ月程度で1000万円の枠に到達します。

「10%も補助金がもらえるのだから、めっちゃお得じゃない?給与天引きだから、絶対貯金もできるし!」
と思って、2017年4月から開始しました。
この当時は、ソーシャルレンディングなどのハイリスク・ハイリターンの投資(投機?今思えばアホでした)を行っていたため、ローリスク・ローリターンの安全資産を増やしたいと考えていました。
当時は独身で賃貸住まいでした。住宅の購入はあまり念頭になく、1000万円の枠に到達したら、目的外解約するつもりでした。


それから7年。結婚もし、子供もでき、おうちも買いました。その間、財形の積立が進みました。そして、今年いよいよ解約します。
1000万円枠の9.2割まで使うことができ、我ながらうまく計画が回ったと思います。

 

で、結局この財形は有利だったのか?

7年間の天引き額は以下です。
 ・毎月    :5万円/月 = 420万円
 ・6ヶ月ごと:30万円    = 420万円
          合計 840万円

それに対して、補助金は10%なので、84万円です。
また、非常に低金利ですが、550万円までは利子もついています。
それらを計算すると、この積立は、7年間で2.65%ほどの利回りだったことになります。

 

10%補助金をもらっているのに、年利回りに換算すると2.65%!
2017年から今までS&P(円換算)は、利回り14%でした。(2017→2023で、2.5倍)
この積立を行っていれば、840万円は1420万円になっていました。

 

はい、完敗しました。S&Pに投資すべきでした。

 

天引き時に10%の補助をもらうことで、その分は1年目では10%の利回りですが、2年目以降は資金が寝たままになり、ほんのわずかな利子しか生みません。長期になればなるほど利回りは低下していきます。

 

もちろん、これは結果論であって、財形は元本割れはなく、会社の補助金制度が変わらなければ利回りも固定です。
18年のクリスマスショックや、20年のコロナショックでは、一時期元本割れしていた可能性があります。

 

それは分かっているのですが、今S&Pとの対比を計算してみると、もったいなかったと惜しい気持ちになります。

 

しかたない、とあきらめて、解約した財形をNISAに投入していきます!